中村君

彼が初めて僕の前に現れたのが、高校生になりたての頃だた。
素晴らしい才能と、独特の弱さの両面をむきだしに、真っ直ぐに向かってくる子だった事を思い出す。
僕も正面から彼を受け止め、共に強くなるために道を歩んだ。
ジュニア最後の年に全日本で7位にくい込み、頭角を表していったのだが、もう一つの顔「弱さ」が出てきてしまい、この全日本を境目に自転車から一旦離れる事になる。
寂しいとか、悔しいとか・・・不思議に何とも思わなかった。カラミッチは「弱すぎる」なんて毒をはいていたけど、彼の「弱さ」なんて最初から感じていての事だったから、何とも・・・不思議とそのうち又、顔だすんだろうな~なんて信じていた。
それから1年後、ツールドに森師匠が来てくれる事になり、つ~か実は僕が自分のお金で呼んだんだけど、これチャンスだと思い、中村に電話してみた。
「スタッフが足りなくて、助けて欲しい」てね!
まんまと罠にはまった中村君。森師匠にお願いして彼の可能性をみてもらったんだ。
そんときの師匠の印象は「彼、格好いいね~。格好よく走る子だね。」てね。
これ、直接中村に話してもらった。
「なかなかいないよ、君みたいに走れる子」
その年の冬にひょっこりとお店にやって来た中村君が僕にこう言った。
「もう一度お願いできませんか」
勿論その日を待っていたんだから、答えは簡単。
で、最近はこの少年は青年になり、結構小言を僕に意見するよになった。
「お酒飲み過ぎですよ」とかね
本日ラブリーな人に認定いたしました。
