2008 5/9~11
いざ熊野へ
今シーズ2回目の国際レースとなった熊野。前日の5月8日に石川県より、AISAN広瀬と、合宿中だったカラミッチの3人で約8時間の道のりを僕の車で移動。アジアツアーでレースの世界に復活したものの、日本のレースは数年ぶり。懐かしい顔達と挨拶を交わしながら、石川の自転車店から、レースメカニックの顔に変身していく。少々緊張・・・この緊張感は、なんだろう?しかし心地よく、やはり懐かしい。
お仕事の時間です
今回は古巣NIPPOでのお仕事。AISANもそうだけど、やはりカンパコンポを採用するチーム。このカンパに関しての信頼は少々あるようで、逆にシマノコンポを使用するチームからはお呼びがかからない・・・
シマノも、結構得意なんだけど。
チームは昨年のNIPPO梅丹から、数年前より計画があったENDKAとの合弁により、NIPPO-ENDKAと進化。その拠点も日本からサンマリノ共和国へ(イタリア国土内に位置する独立国)。当然半数以上がイタリアをはじめとするワールドワイドなチーム。言語も幾つか存在するが、日本語とイタリア語が基準となっているようだ。ミーティングでは、言葉が入り交じるのであるが、そつなく進行していく。
僕は基本NIPPO-ENDKAのメカニックだけど、アンダーを中心に編成される兄弟チームTEAMCOLNAGOの一部もとのお話を現地で・・・「無理だって」
NBSの中田君が、COLNAGOのメカニックなんだけど、本職はCOLNAGOのセールス&現役レーサー。
やはり肝は、僕の仕事・・・・だそうです。
夜なべ仕事・・・・いやいや早朝仕事
現地入りの時刻が遅かった事や、手配中のパーツ(明日レースだよ・・・)がなかなか届かなかったりで、作業開始時刻がかなり遅れる。時刻は23時を越えたけど、今だ整備のゴールは見えない。取りあえず、選手が走る事はできる状態で、一旦終了。工具をかたし、かなり遅い夕食。カップラーメンとビールだけど・・・
お風呂に入り、寝る準備をしていると・・・・
このお方から、「佐野のハンドル、これに交換しておいて」・・・・・・・・・
快く「よろこんで」
翌朝5時に起きる予定を、少しだけ早くし、携帯目覚ましを3時にsetして消灯。この日の朝も早かったのと、移動のドライバー&メカニックで少々疲れていたのか、2秒で昏睡状態へ・・・
「PIPIPIPIPI」
何か5分ほどしか寝てないような気がする午前3時・・・・
作業着に着替え、前日確保しておいたホテルロービー内特設NIPPOメカニックルームへ。
誰も起きていないだろう、何て思いながら作業準備をしていると、先にGAIANTの内山君が活動を開始していた。そこで、作業の手を止め「日本メカニック早起き会」会長を任命した。・・・時間無いんですけど。
レースは10時45分スタート。スタート会場まで少し距離があるの、9時過ぎに宿を出発予定。写真のように、スタートの準備が全て整ったのは8時くらい。レース用の捕食をくすね、自販機で缶コーヒーを購入し、15秒で朝食を済ませる。今回は、GarofaloとMiorin、二人のイタリア人が走っているので、捕食はパニーニ。パンにチーズとハムが挟まっているので、美味。
レース会場に入ると、ここからが慌ただしい。僕はスタート直前に空気を入れるので、よけいに・・・
写真のイタリアーノ達が今回のレースの鍵となるはず。マッサー宮島君のフル回転。選手達にスタート前の儀式を施していく。補給食やボトルの用意も彼の仕事。僕は・・・全て終了して、レース中に自分が食べる分の補給食を、またまたくすねる。
この日の夜、マッサー宮島君が「今回の選手達は、本当によく食べるな~」
「きっと美味しいからですよ・・・」と、返事をしておいた。(本当に美味しい)
オイルを塗ってもらっている、井上君。福井県は、越前蕎麦市 へしこ町出身やって~(福井弁で)
ご存じ国体男。現在3連覇中。彼と初めて話したのは、第1回熊野3DAYでの事。福井大学(国立)の学生だった。ほんの少し、頭角が出てきだした頃で、「君、必ず強くなるよ」って、彼に僕が言ったそうです。憶えてないけど・・・しかし、真っ直ぐに自転車へと向かう心を感じたのはしっかりと憶えていて、今でもその姿勢は、変わっていない。一石さと、インテリジェンスな一面を覗かせる、そんな青年です。
元気に動くチーム・・・そでないチーム。かみ合わないギヤで崩れていく・・・かと思えば、読み通りに勝利を収めていくチームも。そんな思惑と作戦が入り乱れながら、3日間のレースはスタートし、流れていく。
NIPPOのイタリアーノは、日本のレース形態に少々困惑。当然みんなが追いかけるであろうと、傍観していると、誰も動かなかったり、逆に動かないと思うところで、集団が反応したりと、うまく組立ができない様子の初日。日本が特別なのでなく、その国その国でのレース形態が存在するのだ。一流選手達は、瞬時に空気を読める。事実彼たちの2日目以降は、プロの走りを見せてくれた。初日に個人総合が難しいくなったNIPPO。それならチーム総合と、個人賞を狙う事に。
真鍋にまなべ
チーム最年長の彼は、レースの流れを読めるし、作れる。そして着実にリゾルトを残していく。他の若き戦士達も真鍋に続き、2日目以降、チームがシンクロしだした。こんなとき怖いのが、メカトラ。安易に手を抜くと、確実に襲ってくる。チームのリズムに僕も上手く乗れたようで、早々に作業を済ませて行く。夕食や朝食を、選手達と共に過ごせる時間。メカニックとしては至福。Garofaloがマヨラーだったりして、「オレみたいになるぞ」と言うと、「死ぬまでマヨネーズは喰わない」なんて返してくる。
夜、同室の真鍋と久しく話した。彼が走っている事が不思議なのか、僕が早々にリタイヤしたのが不思議なのか・・・両方不思議だという結論に達するのに、5分と要しなかった。
自分の自転車は、後で良いです。
壊れなきゃいいです。
補食の用意を手伝う彼。
洗濯機を確保するのも彼。
そして一番最初にゴールしてくるのも彼
真鍋にまなべ
レース後、移動中渋滞
その渋滞の元は、でっかいハイエースで選手達をカーぺーサーする●キル●マノ。
追い抜きざまに「こ~ら!●マノ!!!ジャマじゃ~!!ボケ」
と・・・・怒鳴るのも彼。
そんなこんなで最終日
細かく2日間のリゾルトを分析。これは、選手達個々も行っている。
「今日は、こんな感じで走りましょう。そうすれば勝利がもたされます」
自分がデザインしたウエアーが走っているのは嬉しいもんです。しかし、最後の勝負はこのユニホームを着る選手達と。去年まで同じチーム・・・今年は敵です。
彼たちの表情を見て下さい・・・
上手く行ったのか、行かなかったのか・・・
一目瞭然です。
こんな表情ができるのは、真剣に取り組んだ人間の特権。
本気で悔しい思い・・・最近したのは、いつですか?
梅丹の後ろ姿は中島君。元同朋の2人は同郷(福井)・・・熱い3日間の戦い。レース中もよく2人並んで走っていた。
そんなこんなで朗報が飛び込んできた。ガロッファロの喜んでいる顔が印象的。ステージレースって、集計が終わるのに少々時間が掛かるのです。
ガロッファロがレッドジャージ「山岳賞」をGET!そして通訳として真鍋君が登場し、会場を沸かせてくれた。
「すべてチームメートの真鍋選手のおかげである・・・・」って感じで。
そして、チーム総合優勝に輝きました。勿論最大の栄誉である個人総合は逃してしまいましたが、そんなそぶりは一切見せず、表彰式を盛り上げるNIPPO!プロチームなんです。
昔、ツールド北海道で、個人総合を逃したSチームの選手が、表彰式でかなり暗かった事を思い出しました。その選手を個人的に責めてるのでなくて、まだまだアマチュアなチームだったんです。日本もようやく・・・・
ってかんじですかね!
それでは、最寄りのレース会場で Ciao
なんだか、文章が勢いづいてる・・・
現場は勢いも大切だもんなぁ。
濃いな~!
現場においで!!!
北海道行くか~